米国債の債務不履行が近いならば

 敏感な経済ウォッチャーの方ならば、とっくに御存知ですよね。
 そう。今月!7月に起こるとされる米国債のデフォルト(債務不履行)のことです。
 ---今年1月下旬頃発表のニュース
 米国財務省は早ければ今年3月31日、遅くとも5月16日までには連邦債務が上限に達するという見通しを述べた。
去年2月に議会が設定した連邦債務上限の14兆3000億ドルに
達するまで、あと3500億ドル程度の余地が残っているが、税収
の増加や政府支出の削減がない以上、今春までは間違いなく達
するというものだ。
 またある当局者は、地方債の発行を一時停止するというような措置
を取れば、数週間ほど時間稼ぎができるだろうとの見方を示した。
 米国のデフォルトとなれば、これまで質への逃避先としての米国債
の地位や、金融システムにおけるUSドルの優位性に悪影響が生じ
ることになる。米国は法律で米国債の上限を設定している。
 遅くとも5月16日までにアメリカの借金がその上限に達する。
 その際の緊急措置が7月8日に終わる。
 それまでに議会が新しい上限の法律を通してくれないとアメリカはデフォルトすると米国の財務長官が言っている。

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 だから、ニセ預言者は、このアオリで日本が経済破綻するから、銀行からすぐに預金を下ろし、資産を現金化しなさいと扇動している。
 私は冷静に、こういう見方だ。
 一番困るのはイスラエルであるから、こんな程度の問題でアメリカの財政が危機的状況になることは望まないはずだ。まず何よりも、イスラエルの存亡に即時、直接影響するアメリカの軍事力が少しでも弱まることだけはあってはならない。それにはアメリカ国内だけでなく世界の駐留先の米軍部隊に安定した物資と俸給が供給されなければならない。
 緊急措置の期限があと2日で、本当に経済危機が起こるのならば日本に駐留する米軍など、とっくに統制が取れなくなり、軍関係者は散逸、勝手に帰国するものなど現れ、大混乱になっているだろう。
 幸い、今年1月から今日まで、このような事態はどこにも発生しなかった。個人、企業団体共に資金の待避先として有望視されるであろう金地金の価格も先月は多少下落した。
 もしも債務不履行がある程度深刻なものとして浮上したならば、人為的な回避策が執られると私は予想する。
 インフレの発生を承知で通貨を発行するというのも一つの方法だろうが、私は密かに「ドル高への誘導」が行われるものと考える。
 米国債のデフォルト危機を早いうちに知っていた私の知人は、ドル預金はすぐに解約して、FXでドルを空売りするために資金を用意したと言っている。
 これは、日本人ならば99%の人が執る方法だろう。ところが、投資の世界は非情だ。このように大多数の個人投資家が動いたところを一部の機関投資家は見逃さず、これらを一網打尽にしようと逆の戦略を仕掛けてくるものだ。
 ドルの空売りを既に執行し、歴史的なドル価格の下落を待っている投資家は、思わぬ相場の逆行に大混乱し、一部にナンピンを行う者も出る始末となり、多くの者が強制的決済で資金をゼロにすることになるだろう。日本だけでなく、中国などの諸外国もこれによって損失を蒙るだろう。
 こうして生じた一時的なドル高による経済的利益、及び国家全体としての資産評価額の増加見込み分が、アメリカ政府の債務の返済に充てられ、(一時的に)デフォルトの危機が回避される可能性が考えられる。だが、長期的に観ればアメリカの経済破綻は避けられないだろう。それよりも先に日本が経済破綻する確率は、100%であると私は預言する。