2006年下半期で私が最も楽しめた事

今回は年末特集として中国語のトピックとは離れ、スポットで書込みを行う。
今年もまた仕事で非常に忙しく、プライベートで楽しめることは少なかったが、わずかに楽しめたことから回想してピックアップすると、K−1オランダ大会のTV放映でのある一戦での出来事に尽きると思う。
夜、かなり早く帰宅すると、K−1の中継が放映されていた。21:30頃とまだ時間の早いうちなので、有名でない選手同士の前座試合の様な試合が続けられていた。その中で、今までに無いジャンルの選手が登場するということを知った。
アティラ・カラチュ。仇名は「ハンガリーの死神」である!!

今までに、K−1では番長だとか、鉄のカーテンだとか、黒豹だとか、暴君だとか、最凶巨神兵(ここまで来ると意味不明!?)だとか数多くの特徴的な仇名が番組の製作者によって考案されて来た。格闘技が本来見せ物であるということの分からないファンは、選手に大袈裟な仇名を付けて試合内容に過剰な期待・想像をさせるという製作者側の意図を嫌ったりするが、私は逆に、仇名を付けるのには大いに賛成だ。現在のK−1の人気と視聴率の高さも、選手にユニークな仇名を付け、試合前に両選手が相手を罵り合うシーンやドサ回り大会での強烈なノックアウト勝ちシーンの映像を流したり、これにアナウンサーが過激なコメントを付けたりするのが面白くて見る人が多いのがその一因だと私は考える。
だが、「ハンガリーの死神」という仇名は、従来の路線に属さない風変わりな仇名で、付けるべき仇名が無くなり製作者側が困惑しているのか。早くも、遂にここまで来てしまったかと感じていた。
私は、随分昔に古館伊知郎がテレビでF−1(私は嫌いであり、ほとんど放送は見なかった。)の実況をやっていたとき、始めは各選手にそれぞれ特徴的な仇名を付けていたものが、次第に視聴率が下がり、選手一人一人に適切な仇名が付けられなくなり、「前歯がビーバー」だとか、「謎のフランス人」などと言う、ちっとも面白くない仇名が考え出される始末で、視聴率の下落にも拍車が掛かっていったのを思い出した。このハンガリーの「死神」という仇名も、適切な仇名が考え付かなかったのか、格闘技にふさわしくない程強烈過ぎて面白くないのを通り過ぎ、却ってギャグ的要素の強いものになってしまっていると思ったのだ。
更に、この選手の名前である。名前が「ちゅ!」で終わるなんてカワイイではないか!!
更に、最後にこの選手の顔が画面に出た時、私は飲んでいたビールを口から吹き出しそうになった。慌てて口に含んだビールを飲み込んだ後、腹を抱えて大笑いした。
顔がオウム真理教の信者、新実智光被告ソックリで、目と口元が「ニタッ!」と笑いを浮かべているのである!
この顔を見た時、アティラ・カラチュとは、カワイイ名前、笑える仇名、不敵な顔の絶妙な調和で三拍子のとれた、フジテレビが送り込んだニューキャラクターなのだということがわかった。


(これがカラチュです。笑っていないです。テレビ放送で使用されていた画像が入手できませんでした。)

残念ながら、試合の方はナオフォール・アイアンレッグに軽くKOされ、死神という仇名を相手に返上してしまったが、やっぱり弱くて良かった!これで勝ったらこの選手のキャラクター性は大きく傷付くだろうと感じた。さて、このニューキャラクター、来年はブレークの年になりそうな予感だ。来年もアティラ・カラチュが出場したら、ハンガリーの死神という仇名がアナウンスされ、顔と仇名がテレビ画面に表示される度に半死する程大笑いできる。笑い過ぎて何が起こってもいい様に、その準備は今から整っている。
以上、これが2006年下半期で私が最も楽しめたことである。

2006年のK−1グランプリでは、最凶巨神兵改メ最凶戦士、セーム・シュルトが2連覇を達成したが、あんな初心者選手を倒せないベテラン勢が不甲斐ない。シュルトを上回るスピードでローキックやボディーへのキック、パンチ攻撃でダメージを奪い、スピードをダウンさせてから顔面への攻撃のできる様な戦略的に優れた選手の登場を期待する。今年はボブ・サップがドタキャンして以来出場していないが、一時は小学生が選んだ「好きなスポーツ選手ベスト10」にランキングされた(普通、スポーツといえばサッカーや野球などを考えるだろうが、K−1からランクインとは驚いた。)という経歴の人気者であり、重要なキャラクター性を持つ選手である。早い復帰を望む。