私の超高速中国語学習法(1) すべてはここから始まった

本日からは私の超高速中国語学習法と称して、私がどうやって4年間の独習で中国語検定2級に合格したか、その過程を余すところ無く伝えたいと思う。
まず私が中国語を学ぼうとした動機については、初回から皆さんの期待を裏切りそうで恐縮だが秘密とさせていただきたい。ただ公開できるのは、家庭の事情でどうしても1年後位までに会話でも、筆談でも、中国語だけにより意思疎通を図ることのできる能力を身に付けなければならなかったという必要があったからである。
まず、語学を習得するには夢を持たなければならない。私の場合、習得の必要に迫られて学習しなければならない苦労はあったが、何とか中国語をマスターできれば中国へ観光旅行に行っても困らないだろうし、翻訳などの業務にも語学力を活かせる。私はコンピューターのハードウエア・ソフトウエアに精通した建設関連の技術者である上に中国語の運用能力を身に付けたら、少しは業務上の評価も上がり安定した暮らしができるかも知れないという夢があった。そして今はその夢が80%は実現しているのだ。私の中国語学習には終わりは無いが、更に上級の検定試験に合格して自分の能力が益々高く保証されることが次の夢だ。今までもこれからも独学は苦しいが、夢がある限り能力の向上が見込める筈だと感じている。
一方、中学・高校で受けた英語教育は、夢の無い学習であった。私の進んだ高校が進学校だったため、世間一般に言われる「青春時代」の楽しさなど私には無かった。どの教科の授業も入念に予習してから受けないと授業についていけない上、多くの宿題が出され、毎晩予習と宿題の解答で睡眠時間は極端に短くなり、夜に見るのは留年する夢。全く嫌と言う程勉強させられた。世間一般の人は、年を取ると青春時代に戻りたいと思うようだが、私には考えられないことだ。中学・高校在学の頃に戻る位なら死んだ方がまだ楽だと思う。そんな中で学習した英語は、その時の試験ではいい点数を取れたがあまり身に付かなかった。使えるようになればどういう利点があるという事を知らされず学習したからであった。しかし、能力の限界まで頭脳と体力を使って習得したものは記憶の深層に残るもので、私の総合的な英語力は高校卒業時と比べれば少しは落ちたものの、社会人になってからも多方面で英語に触れる機会があるので単語の理解力は逆に向上しているし、文法も完全に忘れてはいない。社会人になって辛い事も幾度となく経験しているが、どれも学生時代の苦労には及ばない。あの時の事を考えたら社会人になってからの勉学など何が辛いものかと思えてしまう。だから、私が中国語を習得しようとして抱いた夢は充分に実現可能だと見込みを持っていたし、新しい分野の学習を始めるにはどういう心構えで臨んで学習を進めれば、深く記憶され、すばやい応用ができるかという理論が私の頭には完成していたのである。この時33歳、私が今までに業務で設計した電子回路・ソフトウエア・土木構造物の類はすべて完璧な出来で、無駄を省き合理的に仕上がっている。今度は自分の学習方法を対象にしたシステム設計を行うのだ。どんな素晴らしい学習プロセスが確立されるのだろうと胸が高鳴った。
まず最初は、教科書として何を使うかの選定であった。

続く