我的拍売戦記(5) ブルース・リーDVD5部作その四

その3 ドラゴン怒りの鉄拳(精武門)

列強租界時代の上海。精武門道場の創立者の恩師の5番目の弟子、チェン(陳でありchenとつづる。これをチェンと読むのは正しい。)は、恩師が日本人武道家集団に殺されたことを知る。数日後、日本人が「東亜病夫」と書いた書額を精武門道場に送り付けた。これにカンカンに怒ったチェンは独りで日本人道場に復讐を開始する。
チェンは、日本人武道家のボスを倒すため、人力車の車夫や老人、電話工に変装してボスに接近を図るが、この時の変装と演技がユニークだ。
リーが「東亜病夫」と書かれた書額を日本人道場に返しに行った時に、道場の若手の前で額をぶっ壊してガラスを割り、若手2人に額の中に入っていた紙を食わせると、若手が泣きそうな顔をして紙を頬張り食いするのだが、この時の台詞「這次譲ni吃紙、下次譲ni吃玻璃!」(今回はお前達に紙を食わせたが、次はガラスを食わせるぞ!!)と叫ぶシーンがある。これはカッコイイ。中国語初学者にはぜひ発音練習用の短文として覚えるよう勧めたい。
作品の最後では、鉄砲を持って待ち構える警官隊に向かってチェンが「ホアーチャーーーーーオ!!」と奇声を上げながら跳び蹴りを打っていくが、「ババババババババーーーン!」と撃たれて絶命する。これもまたまたシリーズに共通する警察オチだ。もっと何かうまいエンディングがあるのではないかと思って嫌な気分になった上、私の心の中には今まで受けたことの無い種類の、実に不愉快なストレスが溜まってくるのを感じた。